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067 周防内侍 春の夜の

周防内侍周防内侍
すおうのないし

春の夜の 夢ばかりなる 手枕に かひなく立たむ 名こそ惜しけれ
はるのよの ゆめばかりなる たまくらに かいなくたたん なこそおしけれ

意訳
あなたの腕を枕にお借りするなんて、春の夜の夢のようにはかないお遊びね。うわさの的になるのは、割に合わないわ。
歌の種類
雑 『千載集 雑歌上964』
決まり字
はるのよの ゆめばかりなる たまくらに
かいなくたたん なこそおしけれ
語呂合わせ
 春の貝(はるの かい)

人物

周防内侍(1036年頃-1109年頃)
本名 仲子。
後冷和泉・後三条・白川・堀河帝の約60年間、出仕。
歌合いに多数参加。
女房三十六歌仙

「枕が欲しいわ」という呟きを聞いて

御簾

この歌の状況が『千載集』の詞書にあります。

二月ばかり月明き夜 二条院にて人人あまた居明して物語りなどし侍りけるに
内侍周防寄り臥して 枕をがなと 忍びやかに言ふを聞きて
大納言忠家これを枕にとて腕を御簾の下より差し入れて侍りければ
よみ侍りける

  夜更けまで人々が話しなどしている時に、内侍周防が物に寄りかかって横になっていました。
周防が、ふと「枕が欲しいわ」とつぶやきました。
耳にした藤原忠家が、「これを枕に」と自分の腕を御簾の下から差し入れてきました。
それに対して詠んだ歌。

周防の返事は
「他人の噂になるような遊びに乗るつもりはありませんよ」 という、洒落た断り文句。

 大納言忠家は、藤原俊成の祖父にあたる高位の貴族。
地方役人の娘である周防とは身分が違います。
あきらかに遊びで声を掛けてきたを分かる男へ、即興の歌ではぐらかします。

 ”春の夜の夢”は、実際の”2月(春)の夜”と、”はかない実現性の無い夢”という意味を持たせています。
 ”かいなく”は、”甲斐がない(それほどの値打ちもない)”と、差し出された”腕(かいな)”を掛けています。

技巧を駆使した見事な句に、忠家は、こう返します。

契りありて 春の夜ふかき 手枕を いかがかひなき 夢になすべき

  前世からの契りがあったので、春の夜更けにわたしたちはこうしてここにいます。
御簾深く差し入れた手枕を、ただの春の夢にしてしまうのは、もったいないじゃないですか?

 前世とは、何を突然?ですが、無理矢理に関係を持たせようとするときの口説き文句です。
”春の夜”や”かひなき”、”夢”など、周防の歌の句を使ったこちらも、技巧派の歌で返しています。

雅な大人の恋の駆け引きです。

読み上げ

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