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074 源俊頼朝臣 うかりける

源俊頼朝臣源俊頼朝臣
みなもとのとしよりあそん

うかりける 人を初瀬の 山おろしよ はげしかれとは 祈らぬものを
うかりける ひとをはつせの やまおろし(よ) はげしかれとは いのらぬものを

意訳
あの人が、わたしをもっと好きになるようにと、初瀬の観音様に祈ったのだよ。初瀬山の北風のように、もっともっと冷たくなるようになんて、祈らなかったのに。
歌の種類
恋 『千載集 恋歌二708』
決まり字
うかりける ひとをはつせの やまおろし(よ)
はげしかれとは いのらぬものを
語呂合わせ
 うっかりハゲ(うっかり ハゲ)

人物

源俊頼朝臣(1055年-1129年1月22日)
父は大納言経信
子は俊恵法師。 官人、歌人。
初め堀河天皇の楽人として活躍の後、堀川院歌壇の中核となる。
俊頼髄脳』の著者。

神に祈っても逢うことのできない恋

権中納言俊忠の家に恋十首歌よみ侍りける時、祈れども逢はざる恋といへる心をよめる
  『千載集 詞書』

  権中納言俊忠の家で恋の歌十首を詠む歌会で、お題「神仏に祈っても逢うことができない恋」という心を詠みました。

 権中納言俊忠は、堀川院艶書合で祐子内親王家紀伊にやっつけられた人です。
大の歌好きで、自宅でも歌会を催していました。
ですので、この歌も実際の恋の歌ではなく、歌遊びのお題にあわせた歌となります。

初瀬観音は女人信仰のメッカ

 初瀬は、現在の奈良県桜井市にあります。
そこに長谷寺という四季折々の花が美しいお寺があります。
本尊は、十一面観音菩薩です。
この初瀬観音は、現世の利益を願う平安王朝の女性たちがこぞってお祈りに詣でた場所として有名でした。

 この歌の約50年以上前に書かれた『源氏物語』にこんな話があります。
 玉鬘(たまかづら)という薄幸の美女が、訳があって行き場を失い、困り果てて初瀬詣でに行きます。そこで出会いがあり、玉鬘は光源氏に引き取られます。
 初瀬の観音様のご加護ですね。
 ところが、父親代わりと言ったはずの光源氏は、美しい玉鬘に次第に情を寄せてきます。
玉鬘は困惑し、光源氏の求愛を拒みます。
 ここに登場するのが、髭黒大将です。
弁という侍女に手引きさせて、無理矢理に玉鬘と結婚するという行動にでるのです。
 好いてもいない髭黒大将との結婚に、涙する玉鬘。
若くて美しい玉鬘を手に入れて大喜びの髭黒大将は、こう言います。

「石山の仏をも、弁の御許をも、並べて預かまほしう」
  (石山の観音様と弁を並べて信心したい)

 なんと、光源氏を含め、数あるライバルを押しのけて、髭黒大将が玉鬘を手に入れたのは、石山観音に恋の成就を祈願したからだったのです。

 男が恋の成就を願うのなら、石山観音。初瀬観音は、女性の味方。

 とすれば、この歌は、男性がうっかり初瀬観音に自分を嫌いな女性との恋の成就を祈りに行ったりすると、その女性から本気で嫌われて、”山おろし”の冷たくあしらわれますよ、という意味なのかも知れません。
 あ、念のため。「うかり」は「うっかり」ではなく、「憂かり=嫌い」という意味です。

読み上げ

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