カササギはお腹のところだけが白い、カラスの仲間です。
日本には現代まで、佐賀県とその周辺地域にしか棲んでいない鳥です。
日本発祥の伝説では、カササギが出てくるはずはありません。
中国での七夕伝説の成立
中国、前漢時代(紀元前2世紀-1世紀ごろ成立)の『淮南子』という書物に次の文が記載されています。
鳥鵲填河成橋度織女
訳すると、「カササギが河を埋めて橋となり、織女を渡した」という意味になります。
また、春秋時代(B.C.770-B.C.476)に孔子が編集した『詩経』にも、「織女」「牽牛」が登場する詩が入っています。
『淮南子』は、淮南王劉安が当時の学者を集めて編纂させた思想書です。
「えなんじ」、と読みます。
わたしたちが普段使っている漢字の音ですと、「わいなんし」と発音します。
「えなんじ」と発音するのは、日本に伝来したのがわたしたちが使っている漢字の発音が入ってくる以前だからなのです。
『淮南子』は、遣隋使たち以前、7世紀までに、日本に伝来したのです。
中国から、天の川を挟む二つの星の物語が7世紀以前に日本に伝来してきて、8世紀の奈良時代、大伴家持によって詠われました。
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