元良親王
もとよししんのう
わびぬれば 今はた同じ 難波なる みをつくしても 逢はむとぞ思ふ
わびぬれば いまはたおなじ なにわなる みをつくしても あわんとぞおもう
意訳 |
あなたとのうわさで思い悩む日々。こうなったら同じこと。この身が滅ぶともあなたに会いに行こうと思うのだ。 |
歌の種類 |
恋 『後撰集 恋五960』 |
決まり字 |
わびぬれば いまはたおなじ なにわなる みをつくしても あわんとぞおもう |
語呂合わせ |
詫びる、身を尽くしても(わびる みをつくしても) |
人物
元良親王(890年-943年) 陽成天皇の第一皇子。
いみじき色好み
『後撰集』詞書に
事出で来てのちに京極御息所につかはしける
(二人の関係が世間に知られてから後に、京極御息所に贈った歌。)
と、あります。
京極御息所とは、宇多天皇の寵愛され三人の皇子を儲けた妃、藤原褒子。
密通が露見したことも含めて、この歌を発表してお咎めなしでいるあたり、周囲に恵まれていたと言おうか、愛されキャラだったのでしょう。
「いみじき色好み」や「一夜めぐりの君」と評され、源融と共に源氏物語のモデルの一人と言われています。
読み上げ
019 伊勢 難波潟 | 021 素性法師 今来むと |