源重之
みなもとのしげゆき
風をいたみ 岩打つ波の おのれのみ くだけて物を 思ふ頃かな
かぜをいたみ いわうつなみの おのれのみ くだけてものを おもうころかな
意訳 |
激しい風のようなわたしの思いでさえも、岩のようなあなたの心はゆらがない。岩にくだける波のようなわたしの恋。 |
歌の種類 |
恋 『詞花集 恋上211』 |
決まり字 |
かぜをいたみ いわうつなみの おのれのみ くたけてものを おもうころかな |
語呂合わせ |
風をくだけ(かぜを くだけ) |
人物
源重之(生年未詳-1000年?)
清和天皇の曾孫。 平兼盛と親交があった。
三十六歌仙の一人。
転勤族
この歌の『詞花集』での詞書にこうあります。
冷泉院 東宮と申しけるとき、百首歌たてまつりけるによめる
冷泉院が東宮であったとあるので、950年から967年ころの歌です。
重之が帯刀先生を勤めていたときになります。
冷泉天皇が即位すると近衛将監になりますが、短い都暮らしでした。
その後は、相模、信濃、日向、筑紫、最後に陸奥と地方役人として各地を転々としました。
家族を連れていったり、単身赴任だったり、現地家族を作ったり・・・
旅の歌や、下級役人から出世できない不遇を嘆く歌が多数あります。
読み上げ
047 恵慶法師 八重葎 | 049 大中臣能宣朝臣 みかき守 |