文屋朝康
ふんやのあさやす
白露に 風の吹きしく 秋の野は 貫き止めぬ 玉ぞ散りける
しらつゆに かぜのふきしく あきののは つらぬきとめぬ たまぞちりける
意訳 |
秋の野原で風に吹かれて飛ぶ白露は、糸で貫き留めていない念珠の水晶玉が、散りゆくかのよう。 |
歌の種類 |
秋 『後撰集 秋中308』 |
決まり字 |
しらつゆに かぜのふきしく あきののは つらぬきとめぬ たまぞちりける |
語呂合わせ |
しらつら(しら つら) |
人物
文屋朝康(生没年未詳) 文屋康秀の子。
詳細は不明だが、階級の低い官職に終わる。
九十九人一首+一人2首
歌番号22の
吹くからに 秋の草木の しをるれば むべ山風を 嵐といふらむ
は、この朝康の作品だということが定説になっています。
つまり、朝康はこの小倉百人一首の中でただ一人、2首採用された歌人となるのです。
読み上げ
036 清原深養父 夏の夜は | 038 右近 忘らるる |