寂蓮法師
じゃくれんほうし
村雨の 露もまだ干ぬ 槇の葉に 霧立ちのぼる 秋の夕暮れ
むらさめの つゆもまだひぬ まきのはに きりたちのぼる あきのゆうぐれ
意訳 | |
村雨が通り過ぎて、その露もまだ乾いていない槙の葉に、霧が立ちのぼる、秋の夕暮れだよ。 | |
歌の種類 | |
秋 『新古今和歌集 秋歌下491』 | |
決まり字 | |
むらさめの つゆもまだひぬ まきのはに きりたちのぼる あきのゆうぐれ |
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語呂合わせ | |
ムキ~(む き~) | |
読み上げ |
人物
寂蓮法師(1139年?- 1202年8月9日)
俗名は、藤原定長。
叔父、藤原俊成の甥。11歳ごろ、猶子となる。
藤原定家はいとこ。 30歳過ぎで出家。
御子左家の中心歌人として活躍。 歌人、僧侶。
「むすめふさほせ」の「む」
学校で百人一首を覚える宿題ですと歌番号順で、天智天皇のこの歌から覚え始める人が多いでしょう。
「秋の田の かりほの庵の 苫をあらみ わが衣手は 露にぬれつつ」
しかし、かるた取りをするにあたって、歌を覚えるのならば、まず最初はこの歌でしょう。
村雨の 露もまだ干ぬ 槇の葉に 霧立ちのぼる 秋の夕暮れ
百人一首の中で、「む」から始まる歌はこの歌一首。
一字でその歌と決まる「一字決まり」は他に六首あります。
- 住の江の 岸に寄る波 よるさへや 夢の通ひ路 人目よくらむ
- めぐり逢ひて 見しやそれとも わかぬ間に 雲隠れにし 夜半の月かな
- 吹くからに 秋の草木の しをるれば むべ山風を 嵐といふらむ
- さびしさに 宿を立ち出でて 眺むれば いづこも同じ 秋の夕暮れ
- ほととぎす 鳴きつる方を 眺むれば ただ有り明けの 月ぞ残れる
- 瀬を早み 岩にせかるる 滝川の われても末に あはむとぞ思ふ
覚えていますか?
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