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044 中納言朝忠 逢ふことの

中納言朝忠中納言朝忠
ちゅうなごんあさただ

逢ふことの 絶えてしなくは なかなかに 人をも身をも 恨みざらまし
あ(お)うことの たえてしなくば なかなかに ひとをもみをも うらみざらまし

意訳
あの人に会う前ならともかく、会ってしまった今では、あの人を恨んだり、そんな自分をも悔やむようになってしまったよ。
歌の種類
恋 『拾遺集 恋一678』
決まり字
あうこ(おうこ)との たえてしなくば なかなかに
ひとをもみをも うらみざらまし
語呂合わせ
 会うこと、人を(あうこと ひとを)

人物

中納言朝忠=藤原朝忠(910年-967年1月15日)
藤原定方の息子
三十六歌仙の一人

天徳内裏歌合で六戦五勝

この歌は天徳内裏歌合で出した歌で、朝忠の代表歌となりました。
朝忠のほか、平兼盛大中臣能宣壬生忠見、源順、清原元輔など当代一流歌人が、左右の組に分かれて勝敗を競った中での、六戦五勝は見事です。
朝忠がいた左が、10勝5敗5引き分けで、勝ちました。

この歌のお題は「逢うて逢わざる恋」
相手は藤原元真。

君恋ふと かつは消えつつ 経るものを かくても生いける 身とやみるらむ
「あなたが恋しくて消え入りそうなほどなのに こうして生きていると、あなたには見えるのですか?」

評価はどちらも良いとしつつも、朝忠の歌の清さで朝忠の勝ちとなりました。

読み上げ

043 権中納言敦忠 逢ひ見ての 045 謙徳公 あはれとも

百人一首 初めてかるた

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