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051 藤原実方朝臣 かくとだに

藤原実方朝臣藤原実方朝臣
ふじわらのさねかたあそん

かくとだに えやはいぶきの さしも草 さしも知らじな 燃ゆる思ひを
かくとだに えやはいぶきの さしもぐさ さしもしらじな もゆるおもいを

意訳
気持ちを伝えることさえできない。だからもちろん、この燃える思いをあなたは知らないだろうね。
歌の種類
恋 『後拾遺集 恋一612』
決まり字
かくとだに えやはいぶきの さしもぐさ
しもしらじな もゆるおもいを
語呂合わせ
 書くさ(かく さ)

人物

藤原実方朝臣(?-998年)
中古三十六歌仙の一人。
藤原公任源重之藤原道信などと親交があった。
清少納言とも親しい間柄であった。
陸奥の国で没す。

同じ濡れるなら桜の木の下で

『古事談』に、実方の逸話があります。
あるとき、殿上人たちで桜を見に、東山へ行きました。
急な雨で、皆、雨宿りに右往左往します。
ただ、実方だけは桜の下に立ったまま、歌を詠みました。

桜狩 雨は降りきぬ 同じくは 濡るとも花の 蔭に宿らむ
(桜狩にきて 雨が降ってきた どうせ濡れるなら 桜の木陰に居ようじゃないか)

実方、風流のために、体を張りました。
そして、もちろん、ずぶ濡れになりました。

これを面白く思った殿上人で評判になりました。
しかし、藤原行成が「歌はおもしろし、実方は痴(おこ)なり」、と言ったと聞いて、実方は行成を恨みます。

その後二人が宮廷で口論になったとき、実方は、行成の冠を叩き落として、庭に投げ捨てました。
行成は少しも動ぜずに、雑用の人を呼んで、冠を拾わせ、頭に被ると髪を整えてから、実方に対応しました。
「どういうことでしょうか?理由をお聞かせいただきたい。」
こんな行成に、実方は白けてしまい、逃げました。
これを見ていた一条天皇は、行成を評価し、実方を陸奥に左遷します。

実方は、陸奥で事故で死ぬのですが、ここでも逸話があります。
ある道祖神の前を馬で通りかかった実方に、土地の人が下馬を勧めます。
実方がそれに対して「下品な女神などに、下馬する必要などない」と言って、乗馬のまま通り過ぎました。
怒った明神が、馬を暴れさせたので、実方は落馬し、その傷がもとで死んでしまったというものです。

桜狩の件が『撰集抄』、行成との口論が『古事談』、落馬が『源平盛衰記』です。

実方という人のお人柄がお分かりになられますでしょうか。

読み上げ

050 藤原義孝 君がため 052 藤原道信朝臣 明けぬれば

百人一首 初めてかるた

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