紀貫之
きのつらゆき
人はいさ 心も知らず ふるさとは 花ぞ昔の 香ににほひける
ひとはいさ こころもしらず ふるさとは はなぞむかしの かににおいける
意訳 |
あなたのわたしへの気持ちが、変わったのかどうかはわかりませんが、ふるさとの梅の花は以前と同じ香りで、わたしを迎えてくれますね。 |
歌の種類 |
春 『古今和歌集 春歌上42』 |
決まり字 |
ひとはいさ こころもしらず ふるさとは はなぞむかしの かににおいける |
語呂合わせ |
人は花ぞ(ひとは はなぞ) |
人物
紀貫之(872年?-945年?)
いとこに紀友則がいる。 『土佐日記』の作者
三十六歌仙の一人。
お見限りね
『古今和歌集』詞書にこうあります。
初瀬に詣でるごとに、宿にしていた人の家に、久しく宿らずにいて、間を開けて行くと、その家の主が「このように宿はあるのに」と、言ったので、そこに立っていた梅の花の枝を折って詠んだ」
久しぶりに会う人に、心変わりを疑われて詠った歌です。
人の性別は書いていませんが、ただの宿屋の主人ではないと推測されます。
ちょっと意味深ですもの。
読み上げ
034 藤原興風 誰をかも | 036 清原深養父 夏の夜は |