大弐三位
だいにのさんみ
有馬山 猪名の笹原 風吹けば いでそよ人を 忘れやはする
ありまやま いなのささはら かぜふけば いでそよひとを わすれやはする
意訳 |
ありえない。いいえ、そうよ。わたしのことを忘れたのは、あなた。なのに、会いに来ない理由をわたしのせいにするの? |
歌の種類 |
恋 『後拾遺集 恋二709』 |
決まり字 |
ありまやま いなのささはら かぜふけば いでそよひとを わすれやはする |
語呂合わせ |
有馬、いーで(ありま いーで) |
人物
大弐三位(999年?-1082年?)
母は紫式部。
母と共に、上東門院彰子に仕える。
14歳ごろ、母を亡くし、次いで祖父も出家。
藤原頼宗・定頼などの上流貴族に愛され、また源朝仕との交際があったが、藤原兼隆に嫁し、後の後冷泉天皇の乳母となり、出世する。
その後、大宰府長官である高階成章と結婚する。
女房三十六歌仙の一人。
男に対して心変わりしないと弁明する女の歌
離れ離れ(かれがれ)になる男の、おぼつかなくなどいひたるによめる
『後拾遺集』詞書より
(足が遠くなってしまった男が、わたしの気持ちを疑うようなことを言ってきたので、詠みました)
肉親の縁は薄い大弐三位でしたが、恋愛には恵まれていた印象があります。
この薄情な男が誰だったのかに、とても興味がありますが、分かりません。
読み上げ
057 紫式部 めぐり逢ひて | 059 赤染衛門 やすらはで |