三条右大臣
さんじょうのうだいじん
名にし負はば 逢坂山の さねかづら 人に知られで くるよしもがな
なにしおわば おうさかやまの さねかずら ひとにしられで くるよしもがな
意訳 |
その名に背かないならば、逢坂山のさねかずらは、会う、そして蔓のあるかずらという意味。人に知られずあなたに会いに行き、たぐり寄せてしまいたい。 |
歌の種類 |
恋 『後撰集 恋三700』 |
決まり字 |
なにしおわば おうさかやまの さねかずら ひとにしられで くるよしもがな |
語呂合わせ |
何し、人にし(なにし ひとにし) |
人物
三条右大臣=藤原定方(873年-932年)
父は、内大臣藤原高藤。
息子は、朝忠。
自身も右大臣従二位まで進んだ。死後、従一位を追贈されている。
政治家。
和歌・管絃をよくし、紀貫之・凡河内躬恒の後援者。
サネカズラ
木蓮(もくれん)科のつる性の低木。
山野などに生え、庭木、生垣に使用される。
夏に黄白色花が咲き、秋に赤い実がかたまってなる。
詞書
『後撰集』に「女につかはしける」とありました。
サネカズラの一枝にこの歌を添えて贈ったのでしょう。
サネカズラの「サネ(実)」は「さ寝」。
共寝含みの逢瀬を誘う大人の符牒。
読み上げ
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