参議篁
さんぎたかむら
わたの原 八十島かけて 漕ぎ出でぬと 人には告げよ 海人の釣り舟
わたのはら やそしまかけて こぎいでぬと ひとにはつげよ あまのつりぶね
意訳 |
大きな海を島々に向かって船を漕ぎ出したと、都にいる人に、告げておくれ。海人の釣り船よ。 |
歌の種類 |
羇旅 [きりょ] 『古今和歌集 羇旅歌407』 |
決まり字 |
わたのはら やそしまかけて こぎいでぬと ひとにはつげよ あまのつりぶね |
語呂合わせ |
わたの原や、人には告げよ(わたのはらや ひとにはつげよ) |
人物
参議篁=小野篁(802年-852年2月3日)
834年遣唐副使に命じられるが、病と称して進発しなかったので、838年隠岐国(島根県隠岐諸島)に流罪。
840年に赦され帰京。
遠流の時の歌
隠岐国へ流されける時に、舟に乗り行で立つとて、京なる人のもとに遣はしける
『古今和歌集』詞書より
参議篁36歳の時になります。
隠岐の島への流刑は「近・中・遠」と分けると、一番重い遠流に当たり、京から隠岐国へは26日かかります。
詠った場所は、摂津国難波津で、目前には瀬戸内海諸島が広がっていたのだと考えられます。
読み上げ
010 蝉丸 これやこの | 012 僧正遍昭 天つ風 |