赤染衛門
あかぞめえもん
やすらはで 寝なましものを さ夜更けて 傾くまでの 月を見しかな
やすらわで ねなましものを さよふけて かたぶくまでの つきをみしかな
意訳 |
ためらわずに寝てしまえばよかったわ。夜更けから、月が西の山々に傾くのを見届けるまで、起きて待っていたのよ。 |
歌の種類 |
恋 『後拾遺集 恋二680』 |
決まり字 |
やすらわで ねなましものを さよふけて かたぶくまでの つきをみしかな |
語呂合わせ |
安かった(やす かった) |
人物
赤染衛門(956年?-1041年?)
赤染時用の娘だが、実父は平兼盛と言われている『袋草子』。
藤原道長の妻倫子に仕える。
紫式部・和泉式部・清少納言・伊勢大輔等とも親交があった。
中古三十六歌仙の一人。
姉妹のための代作
中関白少将に侍りける時、はらからなる人に物言ひわたり侍りけり。
頼めてまうで来ざりけるつとめて、女に代りてよめる『後拾遺集』
中関白は藤原道隆(歌番号54 儀同三司母の夫)。
道隆が少将であったころ(974年-977年)、赤染衛門の姉妹と交際していました。
道隆が会いに来ると約束して来なかった翌朝、この姉妹の代わりに詠んだ歌です。
読み上げ
058 大弐三位 有馬山 | 060 小式部内侍 大江山 |