3p data-tadv-p=”keep”>藤原興風
ふじわらのおきかぜ
誰をかも 知る人にせむ 高砂の 松も昔の 友ならなくに
たれをかも しるひとにせん たかさごの まつもむかしの ともならなくに
意訳 |
だれをこれからの友だちにしようか?高砂の松はわたし同様長生きだけど、昔からの友だちではないからなぁ。 |
歌の種類 |
雑 『古今和歌集 雑歌上909』 |
決まり字 |
たれをかも しるひとにせん たかさごの まつもむかしの ともならなくに |
語呂合わせ |
誰待つも昔(たれまつも むかし) |
人物
藤原興風(生没年未詳)
三十六歌仙の一人。
下級官吏。
長寿の喜び
興風のこの歌は、長く生きたために昔馴染みの友人を亡くし、一人寂しい自分の老後を憐れむという趣旨の歌です。
しかしながら、本来長く生きることは動物として歓迎すべきことのはずです。
松は常緑樹で、冬になっても葉を落とさず青々としていることから、古くから長寿の象徴でありました。
この歌に出てくる兵庫県にある高砂神社の「高砂の松」。
この松は大阪市住吉区にある「住之江の松」と夫婦であったとされています。
高砂住之江の松も相生のように覚え
『古今和歌集』仮名序 紀貫之
相生とは共に老いることを意味します。
長く生きる象徴である松でさえ、長く生きるだけでは幸せではない
「高砂の松」には一緒に長く生きてくれる「住之江の松」という相手がいる
共に老いる相手を持ってこその長寿の喜び
ただ友人を亡くしただけではない、長い人生を共に歩んでくれた掛け替えのない人を永遠に失ってしまった老人の喪失感を歌った歌です
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